読了
パンク侍、斬られて候』 町田康
『グラン・ヴァカンス 廃園の天使(1)』 飛浩隆
『僕たちは歩かない』 古川日出男

最近読んだ本とかについて
パンク侍、斬られて候 (角川文庫)
 『パンク侍、斬られて候』やっと文庫化したのでイッキ読み。『告白』はしっかりと『時代劇』していた(台詞とか登場人物の名前以外)のに大して、これは町田節爆発しすぎ。
序盤から腹ふり党だの奇天烈な展開をみせる、「ちゃんとした」時代小説を期待した人はしっかりと置いていかれる。
ヘンテコな名前の登場人物に現代語を織り交ぜたフランクな会話、音楽関係のマニアックなワードなんかが読み進めると楽しくてしかたがない。
まるで水戸黄門で「助さん、チャンスでござる」とか言ってるような異空間っぷり。
終盤の展開から結末まではただただ唖然。奇天烈な会話とかに慣れてきたと思っている読者さえ光速で置いてかれる。
グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
 『グラン・ヴァカンス』は最近良い評判を聞く『ラギッド・ガール』の前作となる長編SF小説
SFはあんまり読んでないジャンルなんだけど、すんなり嵌る。滅茶苦茶面白い。
永遠に夏が続く世界とその最後。といっても序盤からいきなり世界が崩壊を始めて、あとはただ残酷な光景が続く。これがまた美しい。
全三部作になる予定らしいんで早いトコ出しておくれ。
僕たちは歩かない
 『僕たちは歩かない』薄い。結構好きなんだけど、ちょっと短すぎる。どうしてももっとボリュームが欲しくなってしまう。
内容は『LOVE』のような東京モノ。特に山手線。恐らく『東京人』の特集にあった「ネバーエンディングな山手線散歩」なんかから想像したんだと思う。
環状線ってのはやっぱり想像力をかきたてるのだろうか。