空白

jacks-liver2004-06-17

朝、空白を埋めたい衝動に駆られる。
都会に暮らし始めると、
ビルディングが立ち並び、路地裏が完全に視界から消えて、世界の影に隠れる様や、電車での人間の後頭部と天井しか見れないような視界を。
はじめの内は安易に、視界の外の部分が世界から存在しないように考えた。
けど違った。
休日に自転車で知らない町に遠出しても。そこにあるのは「道」だ、誰か他の誰かが踏みしめ、舗装された地図に存在する世界だ。
だから都会には逆に存在しない世界が無い。地図がすべて埋まっている。
都会の散歩には「道」以外の場所を歩く快感がまったく存在しない。これでは世界を創る愉しさがない。世界の輪郭が見えない。
都会の立体箱庭では真っ直ぐ歩けない、田舎に行って「道」を無視した真っ直ぐな散歩をしてみたい。
畑の上を、田んぼの上を、藪の中を、真っ直ぐ突っ切りたい。
そう感じた朝。
ちょっとメランコリー。