読書

 TUTAYAで返却した帰りにサンジェルマンで、昨日買った古川日出男の「沈黙/アビシニアン」を読む。

 読んでいて何よりもその筆力に驚かされる。「サウンドトラック」しか読んだことが無かったが、間違いなく最近の新人ではこの筆力にかなう人物はいないだろう。

 どっかの書評で、彼の本の中に出てくる巨大な地下構造物や、そこに住むアンダーグラウンドな居住者などの世界観を「メガテン」的だと書いてあった。つい、「いやウィズ(外伝)だろ。」とつっこんでしまった。

 しかし文庫本とはいえ相変わらずのへヴィ級な本で、通常エッセイや短編を読んでいる俺にしては気が遠くなる。けどサウンドトラックの時は5百頁二段組という量にも拘らず、あの筆力でとにかく圧倒されて読みきった記憶がある。